


上越市での暮らしの魅力や情報を、U・Iターンを検討する皆さんにお伝えする「上越市移住オンラインセミナー」を開催しました。
今回は「移住×中古住宅 失敗しない住まい探しのコツ」と題し、中古住宅を購入した先輩移住者や不動産を取り扱う新潟県宅建業協会の方から、上越市の暮らしや中古住宅に関することなどについてお話しいただきました。また、上越市のU・Iターンの取組についてお伝えしました。
(注)セミナーは終了しています。
私は、神奈川県の中心部から上越市に移住しました。移住してよかったところは、非常に自然が多いところ、地場産の野菜や海産物が簡単に手に入るところ、これは首都圏ならではだと思いますが、マンションの住人の視線や騒音に干渉されずに生活できるところです。四季の変化はもちろんですが、1日の時間の変化も実感できるので、いい意味で昭和時代のような人の良さやつながりを感じることができると思います。
残念だなと思ったことは、首都圏と比べるとまだローテクだったりマニュアル作業が多かったりするところで、もうちょっと簡略化したり自動化できるんじゃないかなというところです。ただ、それは人との交流がまだあると言い換えられるので、時々不便さを感じながらもそれで後悔したかというと全く後悔してないというのが正直なところです。
一般論として「上越って雪が多くて大変でしょう」「田舎暮らしって不便でしょう」という声があるのはもちろんだと思いますが、それを分かった上で移住したので後悔はしていません。1月は非常に雪が多くて、朝から雪かきしないと車が出せないこともあったんですが、「冬だから仕方ないよね」「みんなやってるしね」と思っていたので、そんなに負担にならなかったっていうのが正直なところです。
上越市は、ゴミの分別が神奈川よりもとても細かくて、例えばプラスチックゴミは週に一回しか出せないなどの不便さもあるんですが、「郷に入っては郷に従え」との言葉もありますので、そういうのも含めて移住してよかったなと思っています。
完璧なところはどこにもないと思っていて、不便なところも含めて楽しもうと思って移住してきたので、今のところは不満なく生活しています。
テーマである中古住宅について、「今住んでいるところがあるから急がなくていいのでは」とか「焦らなくていいのでは」と母からよく言われました。また、理想通りの家が欲しいのであれば新築するという選択肢もあったのですが、自分たちが求める広さや予算などいろいろ考慮すると、やはり首都圏で住宅を新築するのは厳しいと思ったので、中古住宅で、特に広さを重視して探すようにしました。その中でどんなプロセスを踏んできたかについて、かいつまんでお話ししたいと思います。
パンデミックがあった2019年、勤務している会社でリモートワークを選択できるようになり、移住に際して仕事を辞める必要はなかったので、初めは北は北海道から南は沖縄、離島も含め、全国を視野に入れて探していました。東京のふるさと回帰支援センターに何度か足を運び、いろいろな都道府県の話を聞く中で、「旅行するには最高の場所だけど実際に住むとなったらどうなんだろう」という視点を持ち始めました。私の場合、リモートワークですが、必要があれば東京本社に行かなければならないので、新幹線で直接行けた方がいいし、もちろん海、山、川など自然の多いところがいい。あと、新しい土地だから移住サポートが充実している方がいいなど、だんだん狭めて検討するようになっていきました。
検討範囲が狭まってきたあとは、物件サイトで検索して掲載写真をくまなく見て、記載されている住所からオンラインマップを開き、周りにどんな建物があるかをチェックしました。例えば、近くにゴミ集積場があるとか、家畜を育てている場所があるとにおいが気になるんじゃないかとか、近くに大きな学校や大勢の方が集まるような場所があるとリモートワークの際に音や声が気になって仕事に支障が出るんじゃないかとか、そういうところを見ていきました。その中で気になる物件が出てきたら、休みを利用して現地に行き、不動産会社を通さずに、外側というか周辺環境を確認するような形で見ていきました。例えば、雪が降ったらこの道幅だと除雪車が入るのは難しいんじゃないかとか、自分たちの車の幅には狭いんじゃないかとか、あとは隣の家との距離など、オンラインマップでは見えてこない部分をチェックしていきました。
外側を見て大体いいよねという物件が見つかった後は、必ず家族でどこが良かったのかなどを言葉で伝え合うようにしました。言葉にすることで、自分はあまり気にしなかったけどこの人はそういう風に思ってないんだなとか、私は意外とこういうところにこだわりがあってよく見ていたんだなとか、そういったことが具体的に見えてくるので、家族が求めている家の形や環境の優先順位がはっきりしてきた気がします。
さらに両親からも色々アドバイスをもらって項目をリスト化し、それを参考に、自分たちに一番必要だと思うこと、譲れないポイントをピックアップして新たに自分たちのリストを作っていきました。そのリストを作ったことで、そこからはぶれずに探すことができたような気がします。
ここまでに3、4年くらい費やしていて、今年ももう神奈川にいるしかないと思っていた時、もう一回同じ物件サイトを見たら新しい物件が追加されていて、写真を見る限り環境も良さそう、広さも十分、予算も自分たちの範囲内、マップをチェックしても周りはすごくいい環境だったっていうことで、現地に行くことなくすぐに不動産会社さんに連絡しました。現地へ見に行ったら今までのどの家よりも自分たちの作ってきたリストに合致していたので、すぐ決めようと思えば決められたんですが、ちょっと時間をもらって少し家族で話し合いました。
その後、不動産屋さんから連絡があって、迷っているのなら売主さんに会ってみたらどうかと言われ、なかなか三者で集まって会う時間がなかったんですが、売主さんが横浜に住んでいることが分かって会うことができました。売主のご夫婦から育ってきた土地のことやご近所さんの話のほか、こちらで心配な点などについても正直に話し、対処方法やアドバイスをもらえたことで、安心して家を買おうというきっかけになったと思いますので、その点は本当に運がよかったと思っています。
新築や中古に限らず、完璧な土地や完璧な建物はないと思っていいと思います。その中で、私たちにとってなくていいものは何か、なくても我慢できるよねなどの別の視点を持ってみるのもいいんじゃないかなと思っています。そして、今住んでいる家があるなら焦る必要はないので、ゆっくりじっくり時間をかけてみるのもいいと思います。最初は旅行感覚でいいと思うので、いろいろ見て、肌感覚を大事にしてみるといいと思います。そうすることで、最終的にしっくりくるものが見つかっていくと思います。
私たちは上越市に何回も来ているので、よく行っていたホテルの皆さんに顔も名前も覚えられているのも今となってはいい思い出だなと思うので、ぜひ焦らずに、自分たちにとっての理想の場所、落ち着ける場所を探してみてください。
今日は失敗しない住まいの探しのコツということで、私から少しだけアドバイスのようなお話をさせていただきます。まず、上越市は非常に魅力の多いまちで、海も山もあり、農業、食、雪など魅力満載の自慢できるまちだと思っています。
中古住宅の流通について、国土交通省の調査で、上越市では令和7年度に181軒ほどの中古住宅が売れているようです。物価高騰の影響で中古住宅の人気が高まっていて、中古住宅の値段が少し上がっているのも事実です。ちなみに、上越市の空き家情報バンクの登録実績からどのくらい中古住宅が流通しているのか見ましたが、令和4年に比べると約2倍くらいの登録実績になっています。
今まで「空き家バンクってどうなの?」と思っていた地元の方も、最近は空き家バンクに登録すると売れるのではないかという期待も含めて登録しているようです。
不動産取引では、埼玉や千葉などから移住する方との取引が非常に多く、持ち主が埼玉の方で買った方も埼玉だったという物件もありました。物件を買われた皆さんに移住の理由を聞くと、スノースポーツをしたい、菜園で畑をしたい、市街地の古い町家に住みたい、海沿いで暮らして釣りがしたい、夕日が見たい、中山間地域でのんびり山を見ながら暮らしたい、林業と関わりたいなど様々でした。
移住先を選ぶ時は、時間をかけて、まず都会と行き来する方が多いです。上越市は新幹線や高速道路網が充実しているので、都会から訪れてその周辺の散策をしたり、関連施設を訪ねたりできますし、物件の近所の人に話を聞いたり、ホテルに泊まりながらまた別の日に行ってみたりなどできます。家を持っている方にとっては、その家を壊さないで再利用してくれる人が都会から来たということで、非常に歓迎していると感じます。
現在、多くの市町村が移住に向けた支援を行っているようですが、中古住宅を探す際のツールとしては、上越市の空き家情報バンクから検索していく方が非常に多いようです。例えば、市街地などの便利な場所の180万円から450万円ぐらいの物件で、リフォームも含めて1,200万円くらいのもののニーズが非常に多いように思います。
失敗しないためのチェックポイントとして、売買契約の際の重要事項に当たるものですが、市街地の多くが防火エリアに属しており、町家も含めて防火基準が非常に厳しくなっています。また、お隣とくっついている町家は界壁や境界の問題もあったりするので、どう理解していくかということもテーマです。あと、住宅をお買いになった後で再建築が可能かどうかということで、再建築するときに道路が建築基準法に適合しているかなど、そういったことも重要事項説明に書かれる内容なので、不動産屋さんからきちんと話を伺うというのもポイントにもなります。
中山間地域ですと、山林や田、畑、雑種地などの地目の物件も多々あり、どこからどこまでをどのように入手するかということが鍵になってきます。田舎の方に行くと敷地内にお墓があって、墓じまいはしてあるけれども地目が雑種地に戻っているかなど、山林は山林で面積が大きくなればいろいろな法令基準があって届出が必要になります。
物件についてのポイントとして、昭和56年以降の新耐震かそれ以前の旧耐震かによって、リフォームや建て直しの基準がだいぶ違います。比較的すぐ住める家という形で探されている方が多く、修繕しなくても入居可能か、水回り関係のリフォームが終わっているかについて、きちんと見られるといいと思います。あと、ちょっと家が傾いているっていう話をよく聞きます。心理瑕疵につながるので、不動産屋に聞いていただきたいと思います。修繕等されずに現状のままが基本的に多いと思いますので値段によってはそういう物件もあります。あと、隣地境界が明確になっていない物件もあります。住んでいた方が樹木を目印にしていたとか、双方の家の人たちで話をして済ませてきたということがありますが、売買する際は、立合い図面を作って隣地境界を明確にすることがポイントだと思います。水路が自分の家のものなのか、それとも市のものなのか、自分の敷地がどこからどこまでか、隣の家がはみ出て越境していないか、もしくは自分の家がはみ出ていないかなどを確認する必要があると思います。
上越市には災害に備えたハザードマップがあり、津波、洪水、土砂災害などいろいろあります。そのマップを見ながら、降雪時の状況も確認されるといいと思います。地域によって雪の降る量は全く違うので、どのくらい雪が降るのかも確認されると良いと思います。昨年、中山間地域の家を150万円くらいで購入された方がいらっしゃって、広い敷地の家でとても得したとおっしゃっていたんですが、冬になったら玄関から道路まで出るのに、300万円もする除雪機を買わないと出られないと近所の人に言われ、びっくりしてどうしたらいいんだという話になり、全く逆の海近物件を購入し、1年間に2つの家を買ったと言う方もいらっしゃるので、雪がどのくらい降るかということを近隣の人に聞いてみるとか、雪のある時に除雪車が入っているのか、流雪溝があるのかなども深掘りするといいと思います。
子育て世帯などそれぞれの生活のニーズがいろいろあると思うので、しっかりとシミュレーションしながら、自分たちの暮らしのどこにポイントを合わせて、将来どうやっていくのかということを含めて検討されるといいと思います。
保坂さん
雪国にある家は、そもそも積雪に耐えられるように荷重計算されていますので、修繕の頻度が特別多いということはないです。ただ、雪の多い場所で、例えば雪が落ちてきてガラスが割れたりといったことがないように雪囲いをするお宅もあります。立地によって雪の量が違うので、それぞれの場所によっていろいろな対応がありますが、だからといって頻繁に屋根を直すコストがかかることは特にないです。
もう一つの古民家について、空き家バンクに登録されているのは、どちらかというと古い物件の方が多いと思います。住む方によって家の劣化の進み方が異なり、古くても丁寧に暮らしていたお宅はとても綺麗に整備されていますし、築年数が浅くても傷んだように見えるお宅も実際あります。築40年から50年くらいの物件は結構良い位置にあります。
MCから
我が家の辺りは今年は1.5メートルくらいの積雪でした。雪国の家というと雪が自然に滑り落ちるタイプと、そうでないタイプがあります。我が家は滑り落ちない屋根なので、雪が積もると雪下ろしをしなければいけないんですが、今年は一回雪下ろしをしました。どちらのタイプの屋根でも軒先などが錆びてくると心配なので、建てて30年後くらいにペンキの塗り直しをしました。屋根をふき替える必要はないと思うんですが、防水については気をつけて、少し離れて屋根が錆びてないか確認する方がいいと思います。
羽賀さん
屋根に上ってまでは行わなかったですが、実際1月、お正月の朝からものすごく降っていて、とても大変だったんですが、私にとっては初めての上越の冬だったので楽しかったです。また、お隣さんがすごくいい方で、大きな除雪機を持ってらっしゃるので、雪かきしてくれたりと助けてくれました。前に住んでらっしゃった方がスノーダンプとかシャベルなどを全部残してくださっていたので、これを使えばいいんだなっていうのが分かったのも非常に良かったですし、「雪下ろしに屋根に登った方がいいのかしらね」なんて隣のおじいちゃんに聞くと、「いやいや、大丈夫、大丈夫。これぐらいだったらすぐ溶けるわ」なんて言ってくれて。いろいろアドバイスをもらいながらだったので、今年の冬はもう終わっちゃったって感じで、「なんかちょっとつまらないね」みたいな話はよく家族でしています。
羽賀さん
お隣さんとは非常にいい関係を作らせてもらっているのと、町内会長さんに挨拶に行った時も、班長さんを紹介してもらって挨拶に行った時も、皆さん人懐っこいんです。関東に住んでいた時に人から興味を持たれるとちょっと…って思うところもあったんですが、こっちの人たちはすごく入ってくるのが上手と言うか、興味があるんだっていうのを前面に出してくるので、嫌な気がしないというのもあったので、いまだにその班長さんの奥さんとは道で会ったりすると二人で手を振ったり、「今日こんなことがあったよ」「雪大変でしょう」とか、いろいろな話をします。ただ、それにはこちらもオープンマインドでいかないと駄目だなというのは実感としてあって、関東にいた時みたいに、こっちが知らないって突き放してしまうと、自分がどんどん一つの殻に閉じこもってしまってつまらないって感じになっちゃうので、なるべくウェルカムな感じで、みんなから興味を持たれたら、それに対して反応していくようには心掛けています。
保坂さん
物件を紹介に行ったりしていると近所の人が見ていて、「この家売れるの?」「誰が来るの?」と非常に興味を持っていただいています。それは悪い意味ではなく、自分たちの地域に新しい人が来て人数が増えるので、安心しながらも賑やかになることを期待しているところが非常に多いです。生活をする中で、雪の時もお祭りの時もみんなで力を合わせることが結構あって、オープンマインドで接していただけると皆さん温かい気持ちで受け入れてくださると思います。
保坂さん
高田と直江津に居住を推進しているエリアがあり、小学校やスーパーなどに行き来しやすい立地です。その辺りの住宅で空き家になっている理由とすると、相続案件で親御さんの住んでいた物件、もしくはおばあちゃんやおじいちゃんが住んでいた物件で、「町中でこんな値段でいいんですか?」というお買い得物件もありますので、街中だから非常に高額だとか、不便なところでなきゃ安くないとか、そういうことではなく、結構掘り出し物があるので、まちなかの物件探しも面白いと思っています。まちなか居住の重点エリアにある町内会長さんも非常に協力的で、情報もいろいろくださるので、その情報を基に空き家バンクに登録しているケースが多いです。
保坂さん
空き家情報バンクに掲載されている物件の方が市の支援を受けやすいので、私たち業者とすれば、できれば空き家バンクに登録して住む方が恩恵を受けられるように登録をしますが、空き家情報バンクに掲載されない物件もあったりするのも事実ですので、そういう時は業者さんに、「これは空き家バンクに掲載されないんですか」と聞いていただいて、上越市に相談して掲載していただいてから購入を促進する事も可能と思っています。
保坂さん
購入時点で建築年数が何年経過しているかという事がまず一つだと思います。そして、丁寧な暮らしをするというのがキーワードだと思います。20年後はどんどん人口が減っているので、駅近物件などであれば非常に流通は早いと思います。ただ、中山間地域でも築年数が浅いと売れるという一つのスタイルがあり、築年数が13年から15年くらいの物件だと早く売れます。そこから20年経っても築35年なので、比較的築浅の物件をお求めになると20年後も期待できるかなと思います。立地としては電車、バスなどの公共交通機関が通る場所が、一番値段が下がりにくく売りやすかったりすると思います。