農作業中の熱中症により、毎年約30人の方が亡くなっています。発生状況をみると7月から8月に集中しており、70代以上の高齢者に多く発生しています。高齢者は若年者よりも体内の水分量が少なく、のどの渇きや暑さに対する感覚が鈍くなるほか、熱が蓄積しやすいため、特に注意が必要です。
環境省と気象庁は、令和3年4月28日から「熱中症警戒アラート」の運用を全国で開始しました。これは、熱中症の危険性が極めて高い暑熱環境が予測される場合に、暑さへの「気付き」を呼び掛け、熱中症予防行動を効果的に促すものです。
熱中症警戒アラートが発表されたときは農作業を控えるなど、体調管理に十分注意しましょう。
熱中症による労働災害は深刻化しており、重篤な災害のほとんどで初期症状の放置や対応の遅れがあったことが分かっています。具体的には発症時・緊急時の措置の確認及び周知が不十分であること、糖尿病、高血圧症など熱中症の発症に影響を及ぼすおそれのある疾病や所見を見逃していることなどが挙げられます。
このような中、令和7年6月1日より改正労働安全衛生規則が施行され、熱中症の恐れがある労働者を早期に発見し、その状況に応じ、迅速かつ適切に対処することにより熱中症の重篤化を防止するため、「早期発見のための体制整備」「重篤化防止措置の実施手順作成」「関係作業者への周知」が事業者に義務付けられました。
熱中症を生ずるおそれのある作業(注)を行う際に、
(注)WBGT(湿球黒球温度)28度または気温31度以上の作業場において行われる作業で、継続して1時間以上または1日当たり4時間を超えて行われることが見込まれるもの(農業機械の操縦など)
農林水産省では事業者に対し、「熱中症」対応フローに必要事項を記載したうえで事業所内に掲示し労働者へ周知するよう呼びかけています。 別添の「熱中症」対応フローをご活用ください。
スマートフォンに農林水産省公式アプリ「MAFFアプリ」をダウンロードすることにより、熱中症警戒アラートの通知を受け取ることができますので、地域を設定し、活用してください。